
新卒で入ったのは、いわゆるメインフレーマーといわれるコンピュータメーカーです。新人で配属されたのは、外資系企業をターゲットとする部署。片っ端から電話をかけて、売れるものは何でも売っていました。成績はすごく良かったですよ。ノルマが達成できなかったことは一度もありませんでした。でも、自分が作れないのに物を売るのがイヤになってSEに転身、3年間、証券のバックオフィスのシステムなどを作っていました。その後、外資系証券会社2社でコンサルタントを経験しましたが、自由にやりたい私の性に合わなかったですね。それこそ購入するパソコンの機種一台さえ自分で決められない。好き勝手にやらせてくれない環境で、キャリアアップしても先は見えてる。だから、シンプレクスに来たんです。
今はシンプレクスの株式関連プロジェクトすべてを統括管理するディレクターとして、好き勝手にやっています(笑)。自分が主として担当するプロジェクトでの役割は進捗管理やお客様との交渉はもちろんですが、プログラミングをやることもあります。結構、自分で手を動かしていますよ。メンバーには「やめてくれ」って言われますけど、自分の仕事を限定したくないんです。完成したらセールスもやるでしょうし、やらない仕事はないと思います。ハンコついてるだけの、いわゆる管理職にはなりたくない。幸い、シンプレクスには、そういった部署もないですけどね。
今つくっているのは、株のトレーディングシステム開発です。外資系が強いこの分野で、純国産を作りました。株式トレーディングシステムは、もともと当社になかったので一から開発。目指したのは、業界最高水準のパフォーマンスと信頼性でした。やっぱり、業界初とか最高水準を目指すのは楽しいですね。クルマとトレーディングシステムって似てると思うんですよ。クルマでいえば、スピードが出るとか、スタイリッシュとか、信頼性が高いとか、何でもいいんですが、何の特徴のないクルマは退屈ですよね。私は、感性を刺激するような、そう、F1カーのようなものをシステムでも作りたいんです。それに、誰かが作ったものをいじるのは、もとともと性格に合いません。自分が納得したものじゃないとお客さんに自信をもって提供できないし。他人が作ったもので、お客さんからお金もらうのは大嫌いです。
私は、カミさんに「なんでそんな働くの?」ってよく言われるんですが、そんな私が「なんでそんな働くの?」って聞きたくなる人が、ここにはいっぱいいます。うちのグループでも、「鉄人」と呼ばれる人は4、5人います。みんなリーダークラスです。下も自ずと負けていられないとか、ついていこうと思うみたいで、いい風土というかサイクルができています。だから、うちのチームもシンプレクス全体も厳しいですよ。いい加減な仕事は許されません。「この辺で手を打とう」だと楽になるんですが、お客さんからの要求というより、自分たちが「もっとこういうことしたい」って思いが強くて、深みにはまっていく。どこまでの品質を求めるかは、私などリーダークラスがジャッジしていますが、要求レベルは高いと思います。本人の力を越えるラインまでやらせますからね。新人とか年次は関係なく、とことん追い込みます。だって、作るからには自分が満足できるシステムを作りたいじゃないですか。